社員インタビュー [技術サービス部門 / 光都事業所]

知的好奇心が満たされる環境

光都事業所では、世界最先端の放射光研究施設のエンジニアリングサポートをしています。
研究員の方とともに、昨日まで世の中になかった新しい研究装置を生み出しています。

  • Gさん [技術サービス部門 / 光都事業所]

    Gさん年 齢 :27歳
    経 歴 :工業高校卒後、新卒入社
    勤続年数:9年目

  • Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]

    Hさん年 齢 :38歳
    経 歴 :空調設備製造の仕事から転職、
         中途採用
    勤続年数:4年目

  • Iさん [技術サービス部門 / 光都事業所]

    Iさん年 齢 :32歳
    経 歴 :空調設備設計の仕事から転職、
         中途採用
    勤続年数:2年目

  • Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]

    Jさん年 齢 :43歳
    経 歴 :工業高校卒業後、新卒入社
    勤続年数:24年目

  • Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]

    Kさん年 齢 :51歳
    経 歴 :大学卒業後、新卒入社
    勤続年数:29年目

Q1 仕事内容について教えてください。

Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
光都事業所の業務内容を説明するのはほんと難しいんです。
放射光のビーム調整から機器の設計、組み立て、設置まで。
かなりいろんな領域に踏み込んでいて、説明に困るくらいたくさんの業務内容があります。

エンジニアリングサポートは「添え物」というイメージがありますが、教育機関や企業からの研究依頼に対して主体となり実験をする研究員さんたちも、我々のサポートがなければ実験が行えないわけで。
研究の現場に携われる仕事です。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
私は開発チームと建設チームの2つを見ています。
チームのメンバーはそれぞれ電気系、メカ系がいて、研究員さんから聞いた要望・仕様をまとめて、常設機器として
一から装置をつくり保守メンテナンスまですべて新規作業としておこないます。
導入する設備や装置は基本的に研究員さんが検討して決めますが、それをどう構成し設置するかはこちらで検討します。
なので一緒に話しながら進めていく感じですね。
Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
この研究施設は、大きく分けると、「放射光を”作る”研究をする人」と「放射光を”使う”研究をする人」がいて、
日本技術センターとして業務をおこなうのは主に「放射光を”使う”研究をする人」へのテクニカルサポートです。
我々は施設のサポートと光を提供するための技術的な作業をする。そして研究員さんは研究成果を論文に書かれる。
彼らが研究に集中できるように環境を整え、成果を論文で示してもらう。
書き上がった論文は世間に発表され、ゆくゆくは社会の中で人々の役に立つようになるかもしれない。
ここはそのための施設です。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
「建設チーム」は、一般的な建設のニュアンスではないですね。
光の調節機器やビームラインの常設機器を作っています。
「ビームラインを引くためのビームラインを引いている」と言えばわかりやすいかな。
常設機器の光の確認や光を切り崩すスロットを常設して、日技本社のソフト開発部門に引き渡し、使えるようにしたりも。
いわゆる建設っぽいこともしていて、実験ハッチの建屋ごとつくったり、電気・空気・水周りの設備をつくったり。
光都事業所の特徴で言うと、『真空』というキーワードがよく出てきます。なので、電気系・メカ系どちらに対しても、
真空の技術が必須になってきます。あとは、この世にないものを生み出す前向きな姿勢も必要ですかね。
Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
放射光の実験で使う検出器の開発支援は、実験サンプルに放射光を当て、散乱した光を捉えるカメラをつくるセクションです。

【 ビームが来る → 実験サンプルを送る → その現象を捉える → データを収集して解析する 】

これをトータルでサポートしています。

Q2 この仕事の魅力とやりがいはなんですか?

Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
分野を飛び越えてオールマイティに活躍されている研究員さんとの会話が楽しめる作業は、やりがいがあります。
Gさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Gさん
ですね。
自分を卑下するつもりはないですけど、研究員の方々は本当に頭がよくて。当たり前なんですけど。(笑)
普段は話ができないような上級研究員の方と話す機会があったときは、いろいろ刺激をもらいます。
あとは、関わった実験が成功したと、研究員さんが嬉しそうに報告してくれたときとか。
こう聞くと、なんか研究員に恋してるみたいですね。(笑)
Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
うん、わかる。(笑)
僕たち自身も実験に対して自由にものを考えられる環境があって、うまく作動しない部分に違うアプローチを提案して
受け入れられると嬉しいよね。もちろん変な意味じゃなくて。
Iさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Iさん
以前、担当しているビームライン装置の調子が悪かったので、大まかにどこが悪いのか見当をつけ、
メーカー品だと基板の図面がないので回路図を自分で起こしてどこが悪いのか見たとき、
不具合の原因と思われる部品を交換したら、うまく動くようになったことがあります。
それ以来、電気系統のことで話しが来るようになったときは嬉しかったです。
あとは、海外の研究員さんから、装置を移動して研究に入れるまでの時間が短くて素晴らしいと褒められたこともありました。
小さな自慢です。(笑)

ーーー業務の垣根というか、制約が無いんですね。

Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
そう感じます。
オールマイティと言いつつ、研究員さんも万能の神ではないので、作業として不得意な部分をフォローして喜んでもらえたり、
僕たちが作ったものを実験に使ってもらって成功したケースは多いです。
Iさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Iさん
実験のサポート業務として、ビームラインの電気配線や基板に不具合が出た際の調整という電気系の補佐を業務として
おこなっていますが、一つのビームラインにもいろんなものがあるので、あらゆる機器にふれられるのは楽しいです。
真空だったり、レーザーだったり、子供の頃に憧れたようなモノを扱う仕事は大人になってもワクワクします。
あと僕も、いい提案は誰が発案者だろうと採用される雰囲気がある、やらせてもらえると感じています。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
予算面もある程度余裕があるので、欲しい装置、世の中に無ければ作りましょう! という雰囲気が施設内にはあります。
普通は対象物が無ければ、何か他のもので代用するもんじゃないですか。でもそうはならない。
そのあたりの妥協が必要ないのはすごい。
だから知的好奇心が満たされるし、知的好奇心を持つことが要求される。
現状はエンジニアリングサポートに留まっているけれど、加速器学会など研究分野へも領域を広げたいと思っています。
Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
うちレベルの会社の規模で、ここまで大きなスケールの仕事に関われるっていうのは、
他社にはなかなかないことだと思う。
携わった仕事を通じて得た知識、技能をもとにして、何か良いアイデアがあれば、どしどし提案していける環境にあると思います。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
もしかしたら研究員を目指すような方にとっても、面白い領域かもしれません。
教育機関などの研究職は狭き門なので……。

Q3 どんなスキルが仕事の役に立っていますか?

Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
まずはじめに体力はいります。体が資本です。
というのも、画面とにらめっこというイメージを持つ方がいるが、製造は現場に出て組み立てたりするので、
フットワークも必要なんです。
業務に関わるスキルは仕事をこなしていく内に覚えられると思います。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
工業高校卒業程度の基礎力はあった方がいいかも。
僕は工業高校出身ですけど、やっぱり基本となる知識や考え方を学生時代に培えるのは大きいと思う。
Gさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Gさん
僕も工業高校の機械科を出ました。
もちろん役立つ知識はたくさんありますが、ここでは高いスキルを持った人がたくさんいるので、
分からないことは素直に聞いて、それを解決できる力があればいいんじゃないかなあと。
Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
機械設計も組み立てもそうだし、保守メンテナンスや電気・基板関係のスキルは持っていれば持っているほど
できることも多いですが、どちらかというと専門的な知識より幅広い知識を持っていた方が、
いろんな局面で出番が来るチャンスは増えそうです。
Iさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Iさん
チームはユニットで動くので、研究員の先生方と話をして、それを正確に受け取って理解できる力、実現させる力が必要です。
そのためには、コミュニケーション能力も必要かと。

ーーーGさん、Hさん、Iさんは同じユニットで仕事をされているそうですが、
   チームワークについて心がけていることはありますか?

Gさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Gさん
些細なことも全員に伝えて共有することを心がけています。
チーム構成はバランスよく振り分けられるため、同じ分野の人がいないんです。
Hさんの言う通り、バランスよく幅広い知識を持っていればそれに越したことはないんですけど、
わからない時は素直に得意分野の人に聞きます。問題解決が優先事項なので。
Hさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Hさん
情報交換は大事ですね。
結局それが自分の知識の幅を広げるきっかけとなるので。
高度な技術を要する案件ほど、しっかりとチーム内で打ち合わせを行い共有しています。
各人が先生になって、得意分野の勉強会しようかという話も出ています。
Iさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Iさん
ギブ・アンド・テイクの精神ですね。
知識は、もらった分だけ他の人にも与えることができれば、誰か一人の負担が増えることもなくなって、
チームがうまく回ると思います。

ーーーやはり情報共有は大事ですね。チームを引っ張るリーダーの方々はどうでしょう?

Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
リーダーとしては、電気・メカの両方が分かってないといけない。
「自分の専門はこれだから他はできません」は無いかもしれません。
以前、コンクリートの遮蔽物を建造する依頼が来たことがあって。
でも土木系の施工はカバー外だったから、まずは一から自分たちで調べながら、専門の研究員と協議して、どうにか建てました。 「できません」では済まされない中、みんな頑張ってくれています。
Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
チームごとに特色ありますよ。 技術チームでいうと、カメラ分野なのでよほど難しいところは研究員さんにお任せしますが、
電気・設計に関しては我々の出番です。
組み立て調整するターゲットはセンサーなので、もちろんカメラの知識も必要ですがね。
最初からいきなりすべてを兼ね備えたエキスパートのエンジニアはいません。
私も今なおメカトロニクス・電子回路設計を基礎として学ぶことばかり。
ベースはベースとして踏まえつつ、どんどん新しい知識が入ってくるので、人へ人へとリレーしていく感じです。
リーダーとなれば干渉・調整がたくさんありまして、大きな設備になればなるほど仕事も人も多岐に渡ります。
だから、いつまでも学ぶことばかりですよ。
知的好奇心があって、でもそれを自分ひとりで抱え込まないで、日技のメンバーや研究員と相談したりして、
チームでカバーし合いながらひとつのモノをつくっていく。
出来上がったときの達成感は、何物にも替えがたいよろこびがあります。
そこが技術者として面白いところ。
Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
設計からの流れで据付を一貫して受け持った場合はあまり問題がないんです。
むしろ保守業務でトラブルが発生したときにチームワークが重要になる。
不具合の原因はメカなのか、電気なのか、ソフトなのか。的確に判断し、その分野に強い人員に指示を出し、
リカバリーをお願いする。
解決後は、なぜダメだったのか分析するまでが重要で、常に心がけてます。
そのため、メンバーの得意・不得意の分野は把握してます。
解決できそうになければ、他のチームに聞くこともあります。
Kさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Kさん
施設内には、いくつかの所属団体が存在している中、目標に向かって連携を取っています。
まずは研究員さんの要望をきっちりとチーム内の意識として落とし込めているかが、プロジェクト成否の決め手になります。
その上で、うまくアウトプットするために、リーダーがみなさんのスキルを見極めて活かせるよう割り振らないといけません。
あとは目標を高く設定し、チームのレベルアップを図れるようにしています。

ーーー営業的なノルマがない代わりに、納期が大変そうですね。

Jさん [技術サービス部門 / 光都事業所]Jさん
今まさにそうです。
他チームのリーダーの方にも相談はしてるのですが……。
目の前のやるべき仕事に優先順位をつけて、工数を予測できるところは算出し整理した上で、なんとか踏んばっています。
人員が足りていないので、やる気と好奇心のある方が来てくれることを期待しています。

ーーーみなさんありがとうございました。